部下が指示に対して反抗的な態度を示したとき、上司はどう対応するといいか。人材育成コンサルタントの北宏志さんは「部下に『これ、私の仕事ですか』といわれて、上司がびびってオドオドした態度をとっていれば、相手はつけあがる一方だ。放置すると波風は立たないかもしれないが、チーム全体の士気に関わる。業務時間内にしっかりと対話することが大切だ」という――。

※本稿は、北宏志『教え方の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

従業員の仕事に不満を持つエグゼクティブマネージャー
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とりあえず出た所勝負では、伝えたいことが伝わらない

全体への話し方①
三流は、勢いで話し、
二流は、台本にそって話し、
一流は、どう話す?

チーム全体に対し、話をするシーンを想像してみてください。

大人数の前でつい勢いづいてしまう気持ちも分かりますが、何の準備もせず、とりあえず出た所勝負では、伝えたいことが伝わらないことがあります。

本来伝えるべきことを伝え忘れたり、言わなくてもよいことをつい口走ってしまったり……。あまりよい結果は生まれなそうですよね。

伝えるべきことを明確にできるという点では、事前に台本を用意するやり方もあります。

この方法のいい所は、台本をまとめる際、自分の言いたいことを整理できるところです。伝え忘れの可能性も減るので、よい発信方法だと言えるでしょう。

ただ、よほど話すのが上手な人である場合を除き、台本を読み上げるような話し方は、聞く側にとって、あまり心に響かないというリスクがあります。

学生のころ、教科書を読み上げる先生の声を子守歌に、うたた寝をした経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

かく言う私にもその経験があります。いろいろなことをつらつらと話されても、結局何の話だったのか、あまり印象に残らないのです。

では、どのように話せば、全体に対してしっかりとしたメッセージを発することができるのでしょうか。