一流の上司の共通点は何か。人材育成コンサルタントの北宏志さんは「少し気が利く上司なら、部下が不要な面倒を避けられるようレールを敷いてあげ、マニュアル+αのことを教える。しかしそれでは、自発的な姿勢は生まれず、成長にはつながらない。一流の上司は部下を“尊重”している」という――。

※本稿は、北宏志『教え方の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

「MANUAL」木製のブロック、ペン、ノートブック
写真=iStock.com/Seiya Tabuchi
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部下のために最初に考えるべきことは「教え方」ではない

教える前に
三流は、部下と話すのは無駄と考え、
二流は、とりあえず教え方を学び、
一流は、どうする?

会社で働いていると、部下を持つことは避けられません。

「人を育てるのは苦手」だと思っている人でも、ある日突然上司になる可能性があります。

部下を持った時、「そもそも人を育てるなんて……」という姿勢で、「考えの違う部下と話すのは無駄」「勝手に育つだろう」「こちらの言うことだけ聞いてもらえれば」などと考えていては、当然ながら人は育ちません。

上司になる経験は、ステップアップです。せっかくのチャンスを生かすために、まずは教え方を学ぶという発想も大切です。

多くの人は教え方を学ぶ機会がありませんでした。正しい教え方を知らなければ、自己流の誤った指導・教育で部下の可能性をつぶしてしまうリスクもあります。

しかし、最初に考えるべきことは、実は「教え方」ではないのです。

上司も部下も1人の人間です。

これまで育ってきた環境や経歴、好きなこと、考え方……すべてが異なる人同士が一緒に働くためにはまず、関係づくりが必要になります。

例えば、友達になりたいと思う相手に対し、“友達のつくり方”を学んでから話しかけようとする人は、あまりいないのではないでしょうか。