※本稿は、宮脇啓輔『できる人が大事にしている 複利で伸びる仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
具体的でない返答は、相手を不安にさせる
弊社では、「了解しました」を禁止ワードにしています。正確には、信頼関係ができるまでは「了解しました」「頑張ります」「改善します」といった抽象的な返答を控えてもらっています。
理由はシンプルで、「何を」「いつまでに」やるのかが不明確なままでは、仕事の精度もスピードも下がるからです。特に経験が浅い段階や、信頼関係がまだ十分でない相手との仕事では、相手の不安を増幅させるばかりか、自分自身が思考停止に陥りかねません。
そもそも、みんな「了解」しすぎなのです。新しい関係性のなかでは、阿吽の呼吸ではなく「何を、いつまでに、どのレベルで行うか」を明確にすり合わせる必要があります。
そのため私は、新しいメンバーに「了解しました」とだけ返されると、必ず「では、具体的にどう進めましょうか?」と問いかけるようにしています。
共通言語が少ない状態では、言葉を具体化することこそが信頼構築の第一歩なのです。
アウトプットの品質と期待値調整が重要
仕事のボールの投げ合いには、常に「品質」と「納期」が存在します。理想的なのは、以下のように、シンプルに完結する関係です。
「これお願い!」
「了解!」
すでに信頼関係があり、相手が期待する水準を理解しているなら、これで十分です。しかし現実には、以下のようなやり取りが必要です。
「これお願い!」
「ごめん、これって目的は? 期限も知りたい」
「○○プロジェクトで使う上申資料だから、来週月曜までに欲しい」
「なるほど。では水曜に3~4割完成度で一度出して、口頭で確認させてください。不明点は随時チャットで伺います」
このように「目的・期限・中間報告」を明示することで、双方の安心感が生まれます。信頼関係が浅い相手ほど、こうしたやり取りが必要なのです。
図表1をご覧ください。
「了解!」とだけ返す人は、確認や報告が少ないため、不安を残し、重要な仕事を任されにくくなります。一方で、何度も確認ばかりしてしまう人も考えものです。相手の思考をなぞるだけになり、主体的な判断力が育たず、「自走できない人」とみなされてしまうからです。
つまり、両極端ではダメ。求められるのは、タスクの重要度と関係性に応じて「擦り合わせの濃度」を変えることです。


