健康的に体重を落とすには何をすればいいか。医師の牧田善二さんは「多くの人が、痩せるために間違ったカロリー制限をして空腹を我慢したり、体の脂肪を燃やそうとジムに通って無理な運動に励んだりしていますが、実はそんなことをする必要はない。糖質を減らしながら脂質摂取量を増やせばいい」という――。
※本稿は、牧田善二『糖が脳を破壊する』(SB新書)の一部を再編集したものです。
糖質制限でケトン体質になる
医学的には、以前より「ケトン食」という食事療法があり、脳の疾患であるてんかんの治療に用いられてきました。
また、ケトン体には脳を保護する働きがあることから、ケトン食は認知症予防に有効なのではないかと考えられています。
さらに、最近では、がんの予防・治療に寄与するという研究もあります。
ケトン食を簡単に説明すれば、「糖質の摂取を減らし脂質の摂取を増やす」ということになります。
ここで少し、栄養素の代謝について復習しておきましょう。
私たちが食事をすると、そこに含まれるタンパク質はアミノ酸に、脂質は脂肪酸に、糖質はブドウ糖に分解されます。
ケトン体は、脂肪酸が分解される過程で生成されますから、脂質の摂取量を増やすというのがケトン食のひとつの大事な要素です。脂質を摂れば太ってしまうと考えている人が多いのですが、それは大いなる誤解です。そのことについては後述しましょう。
さらに、糖質を減らすことがなにより重要です。
ブドウ糖が溢れているとケトン体の出番がありません。逆に、ブドウ糖由来のエネルギーがなければ、体内に貯蔵されている脂肪を燃やし、ケトン体をつくることができるからです。
ケトン食とは、私が糖尿病や肥満の対策にずっと以前から提唱し続けてきた「糖質制限食」とほぼ同じだと考えてもらえばいいでしょう。
糖質制限食という言葉からすると、糖質を減らすということだけにフォーカスしがちですが、私はかねてより「もっと脂質摂取量を増やすべき」と訴えています。だから、牧田式糖質制限を実践すれば、自然にケトン食に近づき、脳にやさしいケトン体が使えるようになります。


