睡眠の質を高め、脳の健康を保つにはどうすればいいか。医師の牧田善二さんは「人類は不要な糖質を摂ることで、脳も体も劣化させている。さらに問題なのが、ブドウ糖ばかり使っていて『ケトン体』が働くチャンスを失っていることだ。ケトン体によって体内時計が整えば、睡眠の質も上がり、脳の健康が保たれる」という――。

※本稿は、牧田善二『糖が脳を破壊する』(SB新書)の一部を再編集したものです。

ベッドサイドの本とメガネ、目覚まし時計
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人類はケトン体で生きるべき

もともと人類は、多くの糖質を得られる前提で生きるようにつくられていません。

たしかに、糖質は重要なエネルギー源です。でも、人類が誕生した当時、地球上には今のように糖質はたくさん存在しませんでした。だからこそ、少しの糖質で足りるように設計されているのです。

そのような体をもった私たちが、今は糖質だらけの世界に投げ出されているだけ。私たちの周りには、脳や全身の健康を脅かす敵がうろうろしている状態なのだということを、しっかり把握しておく必要があります。

その気づきがないままに、本来であればいらない糖質を摂ってしまえば、脳も体も劣化するのが当たり前です。

さらに問題なのが、ブドウ糖ばかり使っていれば「ケトン体」が働くチャンスを失ってしまうことです。

詳しくは後述しますが、ケトン体を使えている人は、健康を維持するうえでさまざまなアドバンテージを得ることがわかっています。

長く妊婦の糖尿病を扱ってきた宗田哲男医師が、その著書で指摘しているように、私たちの体は「ブドウ糖エンジン」と「ケトン体エンジン」という2種類のエネルギー源を使えるようにできています。

とくに、胎児は胎盤の絨毛じゅうもうでつくられたケトン体をエネルギー源にしています。私たちは、まずケトン体をエネルギーに命をつないできたわけです。

ところが、糖質だらけのこの世に生まれてきたとたん、ブドウ糖エンジンに頼るようになってしまうのです。