仕事で欠かせないメール対応。一流の人はどのようなやりとりをしているのか。人材育成コンサルタントの北宏志さんは「相手に対応してほしいメールに『お手隙で』や『なるべく早く』のような主観に頼る制限を使ってはいけない。時間的な余裕を持たせ、相手側にタイミングのコントロールを任せることができる『返信期限の基準』を伝えることが大切だ」という――。

※本稿は、北宏志『教え方の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

ラップトップで働くアジアのビジネスマン
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「お手隙で」「なるべく早く」では後回しにつながる

メール対応
三流は、「お手隙で」、
二流は、「なるべく早く」、
一流は、どう依頼するよう教える?

朝はまずメールチェックから始めるという人も多いでしょう。

特に、社会人になりたての部下を持つ場合、メール対応の正解を教える必要があります。

「お手隙で」と依頼してしまうと、相手はどの状況が“手がすいている”のか判断ができず、後回しになってしまうでしょう。

だからと言って、すべてのメールへの対応を「なるべく早く」と依頼するのも問題です。何度もお伝えしている通り、業務には期限や、重要度、緊急度といった指標があるもの。メールの対応と一言で言っても、本当に“今すぐ”が必要なものと、そうではないものがあるはずです。

後者のように、今すぐではなくてよいものの、対応してほしいメールは、どのように依頼するのがいいのでしょうか。

後回しになり、返信を忘れるといったことを減らすためにも、時間的制限を設けることをおすすめします。

特に、社会人になりたての新入社員や若手社員に対しては、依頼時に制限を設ける習慣がついているか確認することが必要です。

では、どのような制限が適しているのでしょうか。

明確かつシンプルな制限が、「今日の終業時間までに」です。

時間的な余裕を持たせ、相手側にタイミングのコントロールを任せることができるという点も、この制限の利点の1つでしょう。