メールやチャットの返信はすぐ行うべきか、それともまとめて返した方がいいのか。ラジオプロデューサーの石井玄さんは「私の返信のタイミングは『いつでも』だ。ただ、返信だけに忙殺されないようあえて通知はオフにしている」という――。

※本稿は、石井玄『正解のない道の進み方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

新着メールの通知
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超多忙な人のマルチタスク攻略法

マルチタスクをどうやってこなしていくか聞かれることが多い。私なりのマルチタスク攻略法を書いていきたい。まずは連絡について。

2020年以降、ラジオ業界でも連絡ツールは日々進化し、さまざまな新しいアプリが使われるようになってきた。それまですべての連絡をメールと電話で行っていたが、私がオールナイトニッポンのディレクターをしていた頃にはLINEが普及し、番組の制作現場にも変化が起きた。

当時、オールナイトニッポンの各番組には「放送日以外で週に1回スタッフで打ち合わせをする」という文化があり、私もそれを素直に踏襲していた。打ち合わせは30分〜1時間で終わるものから、長いものだと3時間、半日かかるものもあった。

LINEで番組ごとにグループを作り、制作現場で活用するようになった。普段から「○日までに企画案をください」「スペシャルウィークのゲスト案をください」などとLINEをしていれば、打ち合わせの必要はなくなる。

スピード感が高まったチャットツール

私の担当する番組数が増えた結果、各番組で打ち合わせを行うことがスケジュール的に難しくなったという側面もあるが、放送日に直接話せるし、もはや別日にわざわざ集まって話すことが無駄に思えたので、「週1回の打ち合わせ」をなくすことにした。

どんな状況でもスタッフと連絡が取れるようになったのは大きな変化の1つ。PCでもLINEは使えるから、たとえ別の会議中であっても緊急性のある指示を出すことができるようになった。疑問点が出てきて作家やスタッフに問い合わせると、その場で返信が届くから、進行も早くなった。これはみんな言わないけどこっそりやっていると思う。

コロナ禍以降で使うようになったのがSlack。もはや当たり前に使っている人も多いだろうし、何をいまさらと思う人も多いかもしれない。イベントプロデューサーになったあとは、今まで以上のスピード感を求められるようになった。

イベントになるとセクション数が膨大で、1つの企画に少なくとも10個以上のLINEグループが必要になる。どこのグループに誰がいるのか、今はどこのセクションの話をしているのか、毎回判断するのが大変で、必死に対応していたのを覚えている。