就活における「学歴フィルター」は本当に存在するのか。千葉商科大学准教授で評論家の常見陽平さんは「企業は複数の採用ルートを使い分けており、意図的に差別や区別をしていなくても、結果的にトップ校の学生に内定が集中してしまう」という――。

※本稿は、常見陽平『日本の就活』(岩波新書)の一部を再編集したものです。

暗い顔で書類を書くスーツの女性
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就職における「学歴差別」は存在するか

大学も大学生も絶対数が増え、進学率も増え、レベル感が多様化したことが、「学歴フィルター」と呼ばれる、学校名による差別、区別につながっている。

より具体的な現象で言うならば、大学名などにより選別され、受付開始時間と同時に申し込んだのに、決められた大学名の人しか企業説明会の予約が取れない、選考において力作のエントリーシートが大学名で落とされるなどである。

学歴差別、区別があるのかは一部、都市伝説的に語られる。実際、「学歴差別をしています」「偏差値60以上の大学の学生しか採りません」などと宣言して採用活動を行う企業は見たことがない。

各社がどのような大学群から採用しているかは、各社の採用ホームページ、就職ナビサイト、大学の進路実績ページ、東洋経済新報社が発行する「就職四季報」、各種ビジネス雑誌の特集などで確認できる。

これについて、データをもとに集計した調査も積み重ねられてきた。学校名、学校群と就職先についての研究は多数存在する。大手企業は選抜度の高い大学の合格者が多いことは明らかである。