「とりあえず風邪薬」は推奨できない
立春をすぎ、暦のうえでは春なのかもしれませんが、暖かい日が続いたと思ったら、また急に寒い日がくるなど気の抜けない日々ですね。
しかも花粉まで本格的に飛び始めてきたので、喉がイガイガしたり鼻水が垂れてきたりすると「あれ? カゼ? 花粉? とりあえずカゼだと怖いから総合感冒薬を飲んでおこう」と思って薬局に駆け込む人も少なくないのではないでしょうか。
これまでもプレジデントオンラインでは、「カゼの対処法」について数々の論説が出されてきましたが、本稿では、昨今よく耳にする「セルフメディケーション」という言葉と概念を踏まえて、市販の総合感冒薬とのつき合い方について取り上げてみたいと思います。
皆さんは「カゼの引きはじめかな?」と感じた場合、以下のどのような行動を取るでしょうか?
A.すぐさま医療機関を受診する
B.とりあえず市販の総合感冒薬を買って飲む
C.まずはゆっくり自宅安静
D.栄養ドリンク剤を飲んで気合で出勤
人それぞれと思いますが、Dは論外、Bはまったく推奨しない、Aは状況によるがほとんど意味なし、Cがこの選択肢のなかでは最も合理的と、まずはお伝えしておきましょう。
本稿は「市販の総合感冒薬」についての話題ですので、Bの選択肢をなぜ「まったく推奨しない」としたのかを以下に説明していくこととします。
飲んではいけない4つの理由
理由その1)「カゼを早めに治す効能効果はまったくない」から
過去にも私だけでなく、この点を多くの医療関係者が指摘してきています。
総合感冒薬に含まれている成分は、カゼによるのどの痛み、鼻汁、咳、痰、発熱などの諸症状をいくぶん緩和することが“期待されるもの”にすぎません。
つまり、早めに治したり、悪化を防いだりといった絶大な効果を期待できるものではないのです。これは私が今さらわざわざ言わなくても、多くの人がすでに実感していることと思います。
セルフメディケーションが叫ばれる世の中ですが、ことカゼにかんして言えば、「薬が治すものではなくて、時間が治してくれるもの」という認識をまず多くの人で共有しておく必要があるともいえましょう。
この認識をもっていれば、効果の期待できない薬にムダな出費をすることなく節約することができるからです。
欧米での「カゼの対処法」にならって言えば、このような薬に出費するくらいなら「ちょっと高めのおいしいチキンスープ」を買ったほうがよっぽどマシではないでしょうか。


