肌の乾燥を防ぐにはどういう対策をすればいいのか。東海大学医学部客員教授の平山令明さんは「洗顔後や入浴後こそ肌は乾燥する。有効な保湿成分を含んだ化粧水を使って、速やかに保湿ケアを行うのが鉄則だ」という――。(第3回)

※本稿は、平山令明『スキンケアの科学』(講談社ブルーバックス)の一部を再編集したものです。

ボトルから保湿クリームを手に取る女性
写真=iStock.com/Domepitipat
※写真はイメージです

洗顔した直後から肌は急速に乾いていく

洗顔後に肌は急速に乾燥します。

顔の肌ではありませんが、前腕の肌を石鹼と水を使って洗浄した後の肌の状態を測定した実験があります。洗浄の前後で肌のTEWL(経表皮水分蒸散量)を調べた結果を図表1に示します。

※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はPRESIDENT Online内でご確認ください。

洗浄前後での肌のTEWL(経表皮水分蒸散量)

横軸が行った実験の種類、そして縦軸がTEWLを示します。TEWLの単位はg/hm2です。スケールがやや大げさな単位ですが、1時間(h)あたり、1m2の皮膚から蒸散する水のグラム数(g)です。

15人の被験者を使った実験で、その平均値を示しています。

実験条件のSは石鹼の使用、Wは水の使用、Tはタオルで優しく拭いての乾燥、そしてEは温風でない風による乾燥をそれぞれ示します。たとえばSWTは石鹼と水を使って洗浄し、タオルで拭き取って乾かしたという意味です。

乾燥の原因は「石鹸」ではなく「洗顔」

洗浄は2時間の間隔を空けて2度行いました。洗浄に使ったお湯の温度はやや高い37℃です。第2回で述べましたように、洗顔に適する水温は少しぬるめの32~34℃のお湯です。実験を行った部屋の温度は21±2℃で、湿度は40±5%です。イギリスで行った実験で、やや湿度は低い条件です。

洗浄前(ベースライン)、1回目洗浄後および2回目洗浄後のTEWL値を見ると、どの条件でも洗浄後にTEWL値が上昇していることが分かります。

つまり、洗浄によって皮膚からの水分蒸発は明らかに増加します。

興味深いのは、石鹼を使っても使わなくても増加する水分蒸発量はほとんど変わらないということです。また、洗浄を繰り返すごとに、水分蒸発量は増加する傾向にあります。

つまり、1日に何度も洗顔すると、皮膚がどんどん乾燥していくことを意味します。

この実験結果から、洗顔後には石鹼や洗顔剤を使うか使わないかにかかわらず、肌からのTEWL値は上昇し、肌は乾燥していくことを意味します。