仕事が速くなる叱り方は何か。5つの仕事を掛け持つ時間管理コンサルタントの石川和男さんは「『なぜ?』『どうして?』『なんで?』と『WHY』の質問攻めで叱るのは、過去に目を向けているだけなので、解決策にならない。視点が未来へ向いた叱り方をすると、相手がどんどん解決策を考え、新たな方法を見つけ出す」という――。
※本稿は、石川和男『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
問題は「叱ること」ではなく「叱り方」
以前の職場での話です。Bさんは、部下の起こした小さなミスまで徹底的に指摘するリーダーでした。
細かい点まで指摘すること自体は、悪いことではありません。
経営の神様と言われた松下幸之助氏も「大きな失敗は、本人も反省しているし一生懸命やったうえでするもの。小さな失敗は、おおむね本人の不注意、気のゆるみから起こり、本人もそれに気づかない場合が多い。だから、小さな失敗は厳しく叱る」と言っています。
このように、細かいところまで指摘することで本人が気づき、成長し一人前になっていくなら問題はありません。しかし、ミスを指摘することにフォーカスしすぎると、部下を委縮させ、成長するどころか最悪、退職にまで追い込んでしまいます。
つまり「叱ること」に問題があるのではなく、「叱り方」に問題があるのです。
リーダーBさんは、部下のCさんを呼びつけ、細かなミスを指摘していました。Bさんは、いつも自分のデスクに部下を呼びつけ、部下を立たせたまま叱りつけます。
B:「最近ミスが多くなってきているな。なぜだ?」
C:「先月から新しく担当になったDさんが、慣れていないみたいなので」
B:「慣れていないって。どうしてDに全てを任せているんだ?」
C:「チェックはしていますが、私も忙しくて手が回らない状況なんです」
B:「なんで、全てを細かくチェックしていないんだよ!」
C:「他にも仕事を抱えていて、この時期は手が回らないからです」
B:「それは言い訳だろ!」

