過去に目を向けるWHYは解決策にならない

「なんで」と聞いておいて、理由を答えると「言い訳するな」と言うリーダー(笑)。あなたの周りにもいませんか?

このような叱り方。つまり「なぜ?」「どうして?」「なんで?」と質問攻めで叱るのは、逆効果になりかねません。この聞き方は、ミスや失敗にではなく、部下本人を対象にしているからです。

部下も、自分が責められているとしか感じません。何よりも「WHY」は、過去に目を向けているだけなので、解決策にならないのです。

WHY?と書かれた木製ブロック
写真=iStock.com/sinseeho
※写真はイメージです

では、どうしたらいいのでしょうか?

部下に指導するときは「なんで?」ではなく、「どうしたら?」と提案します。「WHY」ではなく、「HOW」で考えるのです。今、あなたに投げかけた「では、どうしたらいいのでしょうか?」も「HOW」ですよね。

次の2つを比べてみてください。

①「頼んでいた企画書。期日までにできなかったんだって? なんで、完成できなかったんだ?」
②「頼んでいた企画書。期日までにできなかったんだって? どうしたら、期日通りに完成できたと思う?」

①は「WHY」で、②は「HOW」で聞いています。

①の聞き方だと「時間がなくて」「部下のミスで」「他の仕事が忙しくて」「作ったことがなくて」「ちょっと体調が悪くて」「朝イチバンでやろうと思ったら、電車が遅れていて……」と、いくつでも言い訳は見つけられますが、何の解決にもなりません。何度も同じミスを繰り返し、仕事が遅くなるのです。

②の聞き方だと、聞かれた側も答えやすく、部下は責められているとは感じずに、素直に「何が課題だったのかな」と考えることができます。

「HOW」は視点が未来へ向いています。「HOW」で考えると、「どうしたらできるようになるだろう」「どの方法がいいのだろうか」と自分で考える癖がつくので、現状に対して改善していこうという前向きな気持ちが生まれます。

どんどん解決策を考え、新たな方法を見つけ出すことで、ミスも減り、仕事が速くなるのです。

仕事が速いリーダーは、改善方法を考える指導を行う!

日報の記入は「一増一減主義」で

仕事が遅いリーダーの中には、部下の行動を全て把握していないと気が済まないタイプの人がいます。部下だけではなく、お客様の状況も知りたいので、なるべく情報を書類に残すように指示します。

営業日報に記入する項目は30項目以上。お客様の会社の資本金、社長の名前など、ホームページなどで調べなくてはならないことまで記入項目にします。

確かにこれらは、取引するときに必要になるものもあるかもしれません。しかし、訪問しただけで取引先にもなっていない段階では、必要ありません。何より調べれば分かるものは、わざわざ時間をかけて書いておく必要はないのです。

こういうリーダーのもとには、日報を書くのに1日2時間近くかける部下がいます。日報を書くのに残業するのは当たり前。見込み客を開拓すればするほど残業が増えていくのです。

また、会議資料も非常に細かく、そのうえ大量に作成するリーダーもいます。部下にもそれを求めるので、会議の前日になると、ほとんどつきっきりで会議資料に取り組みます。その期間は営業先にも行けなくなるほどです。

仕事が速いリーダーは、ムダな書類を嫌がります。

日報に時間を費やすことを嫌い、記入項目を減らします。利用していない項目、参考にしていない項目を記入するのは、時間のムダだと感じるからです。

もし記入する必要がある項目が出てきたら、部下にヒアリングをして本当に必要かどうかを検討します。そして追加した場合は、他の項目を一つ減らします。「一増一減主義」をとるのです。