32歳でトヨタを辞め、「日本のAmazon」を目指して起業した黒田武志さん。ITバブル崩壊と二度の挫折を経て、たどり着いたのは“廃品回収”だった。なぜ夢は形を変えたのか。年商117億円企業へと成長した逆転の軌跡を、ライターの宮﨑まきこさんが追う――。(後編)
インタビューに応じる黒田さん
撮影=プレジデントオンライン編集部
リネットジャパンの黒田武志社長。1989年にトヨタ入社。バンパーのリサイクル事業などを担い、98年に退社。ブックオフのフランチャイズとして独立・企業。2000年に現在のリネットジャパンを設立し、古本のネット販売などを手がける。14年に「都市鉱山」事業をスタート。16年東京証券取引所グロース市場上場

全国から廃品家電が集まる解体工場

ガシャン、ガシャンという金属音と冷却ファンが回る音が不規則に重なり合う広い空間を、奥へ進んでいく。

愛知県名古屋市、佐川急便倉庫内の「スマイルファクトリー」には、毎日5000点程度の使用済み小型家電が運ばれてくるという。

工場の作業風景
撮影=プレジデントオンライン編集部
PCを解体する作業の様子

「この工場では、全国から送られてきたパソコンや小型家電等のリサイクルとデータ消去を行っています。届いた機器はここで開封され、パソコン・スマートフォンと小型家電に振り分けられます」

工場内を案内する黒田武志さん(60)は、家庭内に眠る小型家電を回収し、含有されている金属資源を再利用するリサイクル企業、「リネットジャパングループ」を経営している。当初黒字化は難しいといわれていたものの、2024年9月期には約117億円のビジネスに成長している。

この工場は、全国から使用済み小型家電が集まる「終着地」だ。

荷物が届くと、まずは青いエプロン姿の従業員が荷物を開封し、パソコンに登録しつつそれぞれの場所に振り分けていく。パソコンやスマートフォンなどの記憶媒体を含む機器は、QRコードによる単品管理システムで追跡が可能だという。

仕分けされたパソコン
撮影=プレジデントオンライン編集部
仕分けされたパソコン