公立の小中学校で教員不足が深刻になっている。何が起こっているのか。川田公長さんの著書『素人校長ばたばた日記』(三五館シンシャ)から、少子化なのに教師が不足する事情を紹介する――。
部活動は勤務時間に入らない“ボランティア”
クラス減にともない、いくつかの問題が生じていた。その1つが、部活動の存廃だった。
来年度から3クラスになり、さらに2年が経過すれば、全学年が3クラスとなる。つまり、生徒数は現在の4分の3に減る。そうなれば、現在の部活動を維持できないことは明らかだった。わが校には以下の部活動があった。
【運動部】水泳、男子バスケットボール、女子バスケットボール、女子バレーボール、ソフトテニス、剣道、弓道、野球、卓球、女子ソフトボール、バドミントン、サッカー、陸上
【文化部】書道、吹奏楽、情報処理、簿記、広報、茶道、ボランティア
【文化部】書道、吹奏楽、情報処理、簿記、広報、茶道、ボランティア
どの部活を削減するか。生徒から人気がないもの、つまり部員数が少ないものを対象にするしかない。部員が1名の「剣道部」と、部員が5名の「女子バスケットボール部」「卓球部」が廃止の候補となった。
わが校には、野球部の富田監督のほかにも部活動に人生を捧げている教諭が数名いた。なかでも「女子バスケットボール部」の玄岡監督の“熱さ”は学内にも知れ渡っていた。
30代、本校に来て4年目の玄岡監督は担当する6限目の授業を終えると表情を一変させて部活動へと飛び出していく。授業よりも部活に持てる力のすべてを注ぎ込んでいるように見えた。
部活動において顧問は、練習指導から部費や遠征費の調整、試合の手配、部員のケアまでをこなす。しかもそれは勤務時間に含まれないボランティア(※1)だ。
赴任した当初、部活動に尽力する教師たちの姿を見て、尊敬するとともに疑問を持った。「一銭にもならない」のになぜそこまでできるのだろう?
※1 ボランティア
スポーツ庁の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(2018年策定)」では部活動を「生徒の自主的・自発的な参加によって行われる、学校教育の一環としての教育活動であり、特別活動の一部を構成するもの」と定義している。
つまり、部活動は「授業」ではなく「教育課程外の教育活動」と位置づけられる。教員に対しては「部活動手当」として月5000円程度が支給されるだけで実質ボランティアといえる。

