非正規職員探しは校長の仕事
そして、これに関して校長にはたいへんな仕事がある。正規職員については教育人事課が配置してくれるのだが、非正規職員については校長がどこからか探してこないといけないのだ。
わが校では、体育、音楽、美術、書道の4人が臨時教員または非常勤講師だった。
私の2年目、「書道」を担当する臨時教員から「中学校で国語の臨時教員として働くこととしたため、講師を辞めたい」という申し出があった。とても申し訳なさそうな様子だったが、私はそのほうがいいと答えた。臨時教員は1コマいくらという契約だ。「国語」なら週にたくさんの授業があり、1つの学校だけで常勤職員として働いて生活できる。これが「書道」となるとコマ数が少ないため、生活のために複数校を兼務して働かざるをえないのであった。
3月になって教育人事課から人事異動の内示表が来た。非正規職員で対応していた音楽・美術・書道は相変わらず正規職員の配置はなかった。音楽と美術は現任の講師に継続をお願いできたが、書道の後任は私が探さなければならない。
県庁の教育人事課には、就職を希望する非常勤講師の名簿があるのは知っていたので、連絡して名簿を送ってもらい、住所がわが校に近い人から順に電話をかけていった。
1人目の人は「本当ならお受けしたいのですが……」とすまなそうな声を出した。「金曜日は他校での授業を受け持っており、お受けできません」
2人目にかけると、「ぜひぜひ」と前向きで「日程調整して折り返します」ということだったが、3日後に「調整がつきませんでした」と断りの連絡が入った。
3人目と4人目にも断られ、1週間がすぎても教員の手配がつかなかった。新年度まであと3週間。このまま見つからなかったらどうしようと不安になってくる。
担任が決まらないまま新学期
5人目でようやく受諾してもらえ、ほっとしたが、他校の校長も同様の苦労をしているらしい。とくに英語については、そもそも非常勤講師の数が少なく、教員探しは相当苦労するようだ。
ある高校では、英語の教員がなかなか決まらず、最後は英語塾の講師に臨時の教員免許(※7)を発行して採用したと聞いた。最近では教員数が少ない小学校で担任が決まらないまま新学期が始まることも珍しくなくなった。小・中・高、どこの学校も先生探しに苦労しているのだ。
※7 臨時の教員免許
普通免許状所持者を採用できない場合に限り、例外的に授与する「助教諭」の免許状をいう。似たような事例として、「免許外教科担任」がある。これは、どうしても必要な教科の免許状を持っている教師が採用できない場合に、都道府県教育委員会の許可を受けて、その教科の免許状を有しない教師が当該教科の授業を担任するもの。

