鼻炎スプレーの誤用で高血圧症の恐れも

現在、国民の約4割が罹患しているといわれる花粉症。今年は過去最速にスギ花粉の飛散が始まり、飛散量も多いと予測されているため、この号が発売される頃は症状に悩む人が多いかもしれない。「花粉症による労働力低下の経済損失額2025」(パナソニック調べ)によると、花粉症を患う社会人の約8割が仕事のパフォーマンス低下に影響していると回答し、その経済損失額は1日あたりで約2320億円と推計されている。私は花粉症に悩んだことがないため、この調査結果を見ても、正直なところそのつらさにピンとこなかった。だが先日、報道関係者向けのセミナーで「重症花粉症患者のQOL(生活の質)は糖尿病や骨折より悪いと評価(分析)されている」ことなどを知り、認識を改めた。ちなみに花粉症の重症とは、〈1日のくしゃみ発作回数または鼻かみ回数が11回以上で、鼻閉(鼻づまり)が非常に強く、口呼吸がかなりの時間ある〉場合と、鼻アレルギー診療ガイドライン(2024年版)で定義されている。今号では花粉症の症状緩和に役立つ、一押し食品を紹介する。

マスクを身に着けている女性
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その前に注意してほしいのが、市販の「鼻炎スプレー」だ。鼻づまりがひどいときに使用すると、スッとしてラクになるため、用法・用量を守らない人が多いという。