「ヒートショック」という現象は医学の中にはない

入浴中の死亡事故がニュースになるたび、新聞やテレビをはじめ、多くのメディアが「ヒートショックに注意」という誤った報道を続けている。今冬もその文言を何十回も見聞きした。医師でさえヒートショックという言葉を使って入浴に関する注意を促している。

お風呂に体を浸し、足の先を出す人
写真=iStock.com/michellegibson
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だが結論から言うと、「ヒートショック」という現象は医学の中にはない。国内で生まれた造語のようで、国際的な病名には登録されていない。人口動態統計(厚生労働省)にヒートショックという死因は存在しないのだ。