最も年金額が多い「会社員同士の共働き夫婦」でも、老後にゆとりある生活を送るには月9万円不足する恐れがある。「正直FPヒッシー先生」としてYouTubeで発信するファイナンシャルプランナーの菱田雅生さんは「ふるさと納税で喜んでいる場合ではない。月3万円で老後資金に2000万円超の差がつく『iDeCo×NISA』に取り組むべきだ」という――。
国際通貨のシンボルが置かれたクリスタルの地球儀
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※写真はイメージです

ゆとりある老後には月39万円かかる

今回は、老後の最低日常生活費と、5つのパターンの夫婦のモデル年金額を比べて、実際に足りるのか足りないのかを見てみたいと思います。生命保険文化センターの令和7年度速報によると、夫婦世帯の「ゆとりある老後生活費」は平均で月々39.1万円となっています。

【図表1】ゆとりある老後生活費

同じ調査の中には「老後の最低日常生活費」についての結果もあります。夫婦世帯で見ると、「20万円はかからない」と答えた方が13%にとどまり、残りの9割近い方は、これより高い金額を想定しています。

では、あなたの年金はその最低ラインを超えているでしょうか。厚生労働省が新たに示した5つのモデル年金額で照らし合わせると、意外な結果が見えてきます。

9割の人が「月20万円では足りない」と回答

「20万円はかかるが30万円はかからない」が41%、「30万円はかかるが40万円はかからない」が22%、「40万円以上かかる」が4%、「わからない」が20%という内訳です。これを平均すると、老後の最低日常生活費は月々23.9万円、おおよそ24万円が夫婦2人の最低限必要な1カ月あたりの生活費になりそうです。もちろん人によって金額は異なりますので、平均額で全てが決まるわけではありません。

【図表2】夫婦世帯 老後の最低日常生活費
【図表3】老後の最低日常生活費

厚労省の「5つのモデル」で徹底比較

厚生労働省はこれまで(令和6年度の年金額の改定まで)、平均的な収入で40年間会社勤めした夫と、ずっと専業主婦だった妻という夫婦2人を代表的なモデルとして、「モデル年金額」を計算し示してきました。

しかし、近年、単身世帯や共働き世帯が増えたことなどを受けて、令和6年7月に結果が公表された財政検証において、個人単位での公的年金の加入履歴から各世代の年金の平均額を算出し、多様なライフコースに応じた年金額の例として、5つのパターンを示すようになりました。

①厚生年金中心の男性(≒会社員の男性)
②厚生年金中心の女性(≒会社員の女性)
③国民年金中心の男性(≒自営業の男性)
④国民年金中心の女性(≒自営業の女性)
⑤国民年金中心の女性(≒会社員の妻(専業主婦またはパート収入))

という5つの類型です。
それぞれ令和6年度、令和7年度の年金額が前提条件とともに示されています。

【図表4】5つのタイプの年金額

会社員同士の共働きが最も年金額が多い

この5つのタイプを組み合わせると、次の5パターンの夫婦ができあがります。1つ目が会社員男性と会社員女性、2つ目が会社員男性と会社員の妻(専業主婦・パート)、3つ目が会社員男性と自営業女性、4つ目が自営業男性と自営業女性、5つ目が自営業男性と会社員女性です。

モデル年金額で計算すると、1つ目の会社員男性・会社員女性の夫婦が最も年金額が多く、合計で30万円をやや超えてきます。

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