2027年から始まる「こどもNISA」は、年60万円、最大600万円まで非課税で積み立てられる制度だ。一見シンプルだが、「12歳から条件付きで払出可能」など通常のNISAとはまったく異なるルールが組み込まれている。教育費として使うのか長期運用か、こどもNISAの“設計思想”を理解しないまま始めるのは危うい。「正直FPヒッシー先生」としてYouTubeで発信しているファイナンシャルプランナーの菱田雅生さんが、賢い判断を伝授する――。
お金を貯めていく子供
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年齢制限はないが、上限金額が厳しい

令和8年度税制改正により、2027年から新たな非課税投資制度「こどもNISA」がスタートします。

かつてのジュニアNISAが廃止されて以降、未成年の資産運用枠は空白となっていましたが、ついに待望の復活を遂げます。本稿では、新制度の仕組みから「12歳からの払出」という特例、そして親のNISAとどう使い分けるべきかまで、専門家の視点で整理します。

新設される「こどもNISA」は、現行NISAの口座開設の年齢制限をなくしつつも、未成年が利用できるのは「つみたて投資枠」のみで、上限金額も厳しくなっています。

●対象者:0歳から17歳までの未成年
●非課税投資枠:年60万円(つみたて投資枠のみ)
●非課税保有限度額:最大600万円
●対象商品:金融庁の基準を満たした、長期・積立・分散投資に適した投資信託

毎年60万円を積み立てた場合、10年間で最大枠の600万円に達します。購入できる商品はコストが低めの投資信託に限定されているため、投資経験の浅い保護者でも運用しやすい設計です。

「12歳」が鍵。柔軟になった払出ルール

今回の制度で最も注目すべきは、資金の引き出し制限です。原則として18歳までは引き出し不可ですが、以下の例外が設けられています。

●3月末時点で12歳の年(小学校6年生の1月)以降:子どもの教育費や生活費に充てる目的なら払出可能。
●災害時などの緊急事態:12歳未満でも住宅の全焼・全壊などの場合は払出可能。

中学受験の費用や、中学・高校の入学金として活用できる点は、これまでの制度に比べ実用性が大きく向上したといえます。ただし、引き出しには「子どもの同意書」と「親権者の申出書」の2点が必要です。

「親のNISA枠(最大1800万円)で教育費も運用すればいいのでは?」という疑問に対し、こどもNISAを活用していいケースは3つあります。

1.用途別に口座を明確に分けたい場合
親の老後資金と子どもの教育資金を別口座で管理することで、家計の管理がシンプルになります。