iDeCo(個人型確定拠出年金)は一括で受け取るか、分割して受け取る方法がある。どちらがお得なのか。「正直FPヒッシー先生」としてYouTubeで発信しているファイナンシャルプランナーの菱田雅生さんは「iDeCoで積み立て期間20年、資産2000万円を形成した場合を計算すると、驚くべき結果が出た」という――。
通貨と電卓
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「一時金」を選ぶと本当にお得なのか?

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、拠出時・運用時と二度にわたって強力な税制優遇を受けられる「最強の節税商品」とも言える制度です。原則として60歳以降に引き出すことになりますが、受け取り方法は、一括で受け取る「一時金」か、分割して受け取る「年金」か、またはその併用となります。実際に受け取るのはまだ先の話としても、どの受け取り方法がお得なのかは多くの人が気になるのではないでしょうか。

受け取り時にも税制優遇はあるものの、「一時金(一括)受け取り」を選ぶか、「年金(分割)受け取り」を選ぶかで、最終的な手取り額は大きく変わります。税制優遇の度合いも、積み立て期間や金額によって異なるためです。実際、企業型DC(確定拠出年金)では97%、個人型iDeCoでも90%もの人が「一時金」での受け取りを選んでいます。なぜ、これほどまでに一括受け取りが選ばれるのでしょうか?

本稿では、老後の暮らしを決定づける「一時金vs年金」の選択が手取り額に与える影響を「税金」「社会保険料」「手数料」「運用継続」の4つの観点から徹底比較します。長年の積み立ての成果を、受け取り時にムダな税金で目減りさせないための「出口戦略」を一緒に考えてみましょう。

「分割」にすると税金と社会保険料がのしかかる

まず、一時金と年金、どちらを選ぶかで、手取り額に影響を与える4つのポイントを整理します。

税金の違い:どちらの控除枠を使うか。
社会保険料の違い:翌年の保険料が増えるか、増えないか。
手数料の違い:受け取り時のコスト負担の違い。
運用継続の違い:非課税で運用を続けられるか。

特に「税金」と「社会保険料」の負担が、年金(分割)受け取りを判断する際のキーポイントになりますので注意が必要です。では、この4つのポイントを一つずつ、具体的に見ていきましょう。

第一に、一時金は会社の退職金などがない人は「無税」で受け取れるケースも多いです。iDeCoを「一時金(一括)」で受け取る場合は、会社の退職金と同じ取り扱いになります。ここで適用されるのが、大きな税制優遇策である「退職所得控除」です。退職所得控除は、iDeCoの積み立て期間を勤続年数としてカウントして非課税額が計算されます。

積み立て期間20年まで:1年あたり40万円
積み立て期間20年超:1年あたり70万円(20年超の部分)