年金は、何歳から受け取ればいいのか。「正直FPヒッシー先生」としてYouTubeで発信しているファイナンシャルプランナーの菱田雅生さんは「厚生年金に20年以上加入していた65歳男性のケースで額面と手取り額の損益分岐点を比較すると、衝撃的な結果が出た」という――。
年金手帳
写真=iStock.com/Yusuke Ide
※写真はイメージです

「年金を遅くもらうとお得」は本当か?

公的年金をいつ受け取り始めるか――。この判断は、定年を控える会社員が直面する最も大切な出口戦略の一つではないでしょうか。早くもらう「繰り上げ」か、遅くもらう「繰り下げ」か。あなたの選択一つで、老後の生活が大きく変わる可能性があるんです。

世間では「繰り下げれば年金が増えるから有利だ」という、単純なイメージが先行しがちです。しかし、本当に賢い人は、決して表面上の数字だけで判断しません。公的年金は額面(大元の金額)から税金や社会保険料が差し引かれ、その「手取り額」こそが、自分の生活を支える真の資産となるからです。