投資銘柄はどう選べばいいか。経済評論家の加谷珪一さんは「長期で投資をするにあたって、適した銘柄は実はそう多くない。銘柄選びは問題ではなく、むしろ相場が上がったり下がったり、という状況で心が乱されないよう、市場に慣れていくことの方が100倍大事であると言い切ることができる」という――。
※本稿は、加谷珪一『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
投資は可能なら「今すぐ」に始める
投資についてよく聞かれるのが、「いつ始めたらよいのでしょうか」という質問です。
この質問に対して私は、いつもこのように答えています。「無理をする必要はまったくありませんが、可能であるならば、今日から始めてはいかがでしょうか」。このように説明すると、多くの人が驚いた顔をするのですが、これから説明する内容を読めば、この話には合理性があることがお分かりいただけると思います。
先ほど説明したように、株価がいつ上がったり下がったりするのかは誰にも予測できません。一方で株価というのは、上がったり下がったりを繰り返しながらも、長期的には上がっていくものです。
これは国全体の経済に当てはめても同じことであり、日本は成長が鈍化しているとはいえ、少しずつですが経済規模は拡大しています。つまり、激しく上下変動を繰り返しながらも、長い期間、投資を続けていけば、収支はプラスになる可能性が高いということが予見できるのです。
そうなると、投資で成功するためには、できるだけ長い期間、投資を続けることが大事であり、短期的な結果は追い求めない方がよいとの結論になると思います。私が何度も長期投資が重要であり、中高年になってからでもまだまだ遅くないという話をしているのはこうした理由からです。若い人ならもっと時間を稼げますからなおさらでしょう。
ところが、投資を始めることを躊躇してしまい、何もしない状態が長く続くと、定年退職が見えてくる時期になってから投資をスタートすることになってしまいます。

