「どの銘柄に投資すればよいか」の最終結論

投資で成功したという話をすると「加谷さんは経済に詳しいので、伸びる銘柄を予想できたはずだ」という反論をよくいただきます。確かに私は専門家なので、一般の方と比較して経済や企業の動向に詳しいと思います。

しかしながら、長期で投資するということになると、この専門知識はほとんど役に立ちません。どういうことかというと、長期で運用するためには、安全性が絶対的に重要であり、倒産するリスクがほとんどない、誰もが知る超優良企業にしか投資できないからです。

実際、私が買い続けたのは、知らない人がいないくらいの超優良企業ばかりです。東証には4000社近くの企業が上場していますが、企業規模が大きく業績が伸びていて、同時に十分な配当利回りがあるという条件でスクリーニングをかけると、実は20社、30社くらいしか候補は残りません。

こうした条件をクリアして残った企業というのは、本当に誰もが知る超優良企業ですから、そもそも銘柄を選ぶ必要すらないのです。

私は「どの銘柄に投資すればよいでしょうか」と質問されることも多いのですが、長い投資経験がある私のような人間からすると、候補となる銘柄がたくさんあって困るのではなく、投資に値する銘柄が少なすぎるということの方がむしろ問題と思えます。

どうしても銘柄選びが悩ましいのであれば、225銘柄を平均した日経平均株価に連動する投資信託を買うという方法もあります。このような商品をインデックスと呼びますが、インデックスに連動する商品を買えば、市場全体を買うことと同じ結果になります。

「過去はそうだったかもしれませんが、将来はどうなのでしょうか」という質問もよく受けるのですが、この問題についても、あまり深く考える必要はないでしょう。こう説明すると、適当に答えているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。

紆余曲折がありながらも6%の平均利回りに

先にも述べたように、将来のことは誰にも分からないというのが投資の大原則です。

加谷珪一『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』(幻冬舎)
加谷珪一『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』(幻冬舎)

相場というのは上がる時もあれば、下がる時もありますが、一方で、永遠に下がり続ける市場というのは存在しません。

その理由は経済というのは、どんな時でもそれなりに成長を続けているからです。例えば今の日本ですが、30年間不景気が続いていますが、それでも株価は上がっています。長期で投資を続けていれば、先ほど説明した6%の平均利回りに近づいていくものです。

実際、私が投資を続けた30年間には様々な出来事がありました。投資をスタートしたのはバブル崩壊直後でしたから、株価は毎年のように下がり続けていました。

何年も下落が続くとさすがに気持ちも落ち込んでくるのですが、1999〜2000年にはネットバブルによる上昇があり、2003年から2007年にかけては米国の好景気と小泉改革への期待を背景にした上昇相場がありました。

その後、リーマンショックで株価は再び大暴落しますが、その後トランプ相場がやってきて、株価は上昇に転じています。

振り返ってみると、約5年ごとに激しい上下変動があったわけですが、その間の平均的なリターンを計算するとやはり6%程度になっており、紆余曲折がありながらも私の資産は増えている状況です。

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