最盛期に約780店舗が軒を連ねた大阪・布施商店街は、半数近くがシャッターを下ろし観光客もほぼいなかった。それが今では年間1万人、44カ国から観光客が訪れる街に変わった。突破口を開いたのは「商店街ごとホテルにする」という“20代のヨソ者たち”だった。フリーライターのマーガレット安井さんが取材した――。
シャッター商店街を変えた異色のホテル
「シャッター街」になった商店街で、賑わいを取り戻した場所がある。仕掛けたのはホテルだ。しかも「商店街ごとホテルにする」という、前例のない方法で。最盛期に約780店舗が軒を連ねたこの商店街は、半数近くがシャッターを下ろした。そこに「泊まる」という選択肢が生まれ、街は大きく変わりはじめた。
布施商店街は、大阪のベッドタウンとして知られる大阪府東大阪市にある。1979年に始まり今も続く「布施まつり」は、この街のにぎわいを象徴する恒例行事だ。かつては近鉄・布施駅前に砂を敷いて闘牛を行ったり、雪山を作ってそり滑りを楽しんだりと、子どもから大人まで世代を超えて楽しめる催しが数多く開かれていた。
最盛期は約780店舗が軒を連ね、週末ともなれば人波が絶えなかった。しかし高度経済成長期以降、郊外型の大型ショッピングモールが次々と進出し、消費者の足は商店街から遠のいていった。
個人経営の店は価格競争に勝てず、後継者も見つからないまま閉店を余儀なくされる。かつて活気あふれた店先に、ひとつ、またひとつシャッターが下り、営業店舗はおよそ400店と最盛期の半数にまで落ち込んだ。
このシャッターをふたたび開けた「SEKAI HOTEL 大阪布施」。商店街に「泊まる」というアイデアが、行き詰まった街を大きく変えることになった。



