商店街が“ホテル”になる

「SEKAI HOTEL 大阪布施」は商店街に点在する建物や店舗を客室として活用し、銭湯や喫茶店などと連携することで、入浴や朝食といった機能も地域の店や施設で担う。商店街全体をホテルに見立てる、それがこの施設の特徴だ。

商店街の空き店舗を客室として活用(写真左)
提供=SEKAI HOTEL 大阪布施
商店街の空き店舗を客室として活用(写真左)
入浴は布施商店街にある「戎湯」へ
提供=SEKAI HOTEL 大阪布施
入浴は布施商店街にある「戎湯」へ

総部屋数23室で、2人向けのツインルームから最大6人まで宿泊できるデラックスルームまで備えている。料金は、素泊まりのデラックスルームを6人で利用した場合、1人あたり税込み5700円から、繁忙期には税込み1万3400円まで変動する。

プランは、素泊まりのフリーステイをはじめ、学生向けの食べ歩きチケット付き、さらには「1泊10食」のローカルフード体験型まで幅広く、商店街をまるごと楽しむ滞在スタイルを打ち出している。

「『街を周遊する』ことを前提にしたホテル」。そう語ったのは、SEKAI HOTELのプロジェクトマネージャーである北川茉莉さん。

では、SEKAI HOTEL 大阪布施に泊まると、どのような体験ができるのか。

筆者はホテルに宿泊することにした。チェックイン時、まずはスタッフからホテルの説明を受けた。特徴的なのは、その場でおみくじを引き、商店街の名物グルメを堪能できる食べ歩きチケットと宿泊客向けの特典を受けられる地域周遊パスポート「SEKAI PASS」(セカイパス)、首から下げるパスケースを受け取ることだ。

食べ歩きチケットはホテル周辺の店で引き換え券になる。老舗の精肉店「やまじん」の牛すじコロッケや「Kitchen Friend 怜」の唐揚げなど、商店街の名物グルメを楽しめる。また、SEKAI PASSは宿泊プランに応じて飲食店で特典を受けられるほか、銭湯を無料で利用できる。

パスを首掛けの形にしたのは、連携しているお店の声から生まれたものだという。

「最初は紙のパスだけを渡していたのですが、会計の際に最後にちらっと見せるだけだと『最初から見えていれば、コミュニケーションを変えられたのに』と言われて。だからSEKAI HOTELに泊まっていることを可視化させる方法を考えた結果、今のパスケースの運用になりました」

受付で受け取ったおみくじ、「SEKAI PASS」など
提供=SEKAI HOTEL 大阪布施
受付でこれらを受け取り、商店街の日常を体験