プレジデント動画シリーズ「リーダーの器」。第3回はユニ・チャームの高原豪久社長です。無料会員登録で動画をご覧いただけます。ぜひご登録ください――。
普通なら隠したくなる屈辱の記事
「第3の創業つまずく」。2001年6月、日経金融新聞にそう書かれた経営者がいます。ユニ・チャームの高原豪久社長です。創業者である父・慶一朗氏からバトンを受けた株主総会の朝、株価は低迷し、父は不機嫌を隠しませんでした。自ら指名した息子への交代なのに、まるで自分自身が否定されたかのように感じていたのです。
普通なら隠したくなるその屈辱の記事を、高原さんはパウチして当時の役員全員に配りました。裏面にはこう記したといいます。「思考は現実化する」。悪い情報こそみんなで共有して、闘志に火をつける。これが高原流の経営の原点です。
それから25年。高原さんがこだわり続けたのは、少数のエリートに頼る経営ではなく、組織の「総面積」を広げることでした。よく言われる2・6・2の法則でいえば、トップの2割ではなく、ボトムの2割に眠っている力を引き出す。そうすれば真ん中の6割も引き上げられ、組織全体が底上げされる。高原さんが「共振の経営」と呼ぶこの哲学は、カリスマ創業者の経営を超え、社員一人ひとりが自ら考えて動く組織をつくるための挑戦でした。

