払い込んだ保険料を米ドルや豪ドルなどで運用する外貨建て保険。円建て保険よりも利回りが高いため人気だが、「正直FPヒッシー先生」の名前でYouTubeで発信しているファイナンシャルプランナーの菱田雅生さんは「外貨建て保険は今すぐ解約したほうがいい」という――。
電卓で計算する税理士
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「元本割れより怖い」外貨建て保険の罠

近年、高金利を謳う「外貨建て保険」に加入された方からの相談が急増しています。外貨建て保険は、一見すると「為替差益」(円安の恩恵)と「高い予定利率」(保険会社が約束する運用利回り)の二重のメリットがあるように見えます。しかし、その実態は、一流の投資家なら真っ先に避けるべき「非効率な商品」である可能性が高いのです。

本稿では、外貨建て保険の持つ根本的な問題点を解明し、なぜその利回りが表面上の数字ほど高くないのか、そして、皆さんの資産を「損」から救い出すための具体的な対策をお伝えします。

見せかけの「為替差益」に騙されてはいけない

最近、外貨建て保険を解約されたお客さまのケースです。その方は、7年間の契約で約740万円の保険料を払い込み、解約返戻金として約800万円を受け取りました。7年間で60万円増えた計算になります。

一見、増えているため「まあ、いいか」と思われるかもしれません。しかし、この方が契約した時点は1ドル100円程度でした。解約時、為替レートは1ドル150円程度まで円安が進んでいたのです。単純な為替レートの変動で考えると、円建て資産は1.5倍、つまり、740万円×1.5=1110万円ですから、1000万円を優に超えていてもおかしくありません。それにもかかわらず、手元に戻ってきたのは、たったの800万円だったのです。

もちろん、外貨建て保険の運用対象はアメリカの債券などが中心であり、アメリカの金利上昇による債券価格の下落など、複雑な要因が絡みます。そのため、為替の円安メリットが丸ごと「儲け」になるわけではありませんが、もし最初から普通のアメリカのドル建ての運用商品、例えば米国の国債や、米国の株式、またはそれらで運用される投資信託を買っていれば、もっと高い収益を得られていたはずです。この「失われた機会」こそが、外貨建て保険の抱える本質的な問題点なのです。

その保険は「保障」のために加入したのでしょうか、それとも「運用」のために加入したのでしょうか? 保険で損をしないためにも、まずは加入目的を明確にしてから商品選択をすることをおススメします。