商業施設で日本一の実績

11年3月1日に全線開通した九州新幹線鹿児島ルートの南側の起点となる鹿児島。約170万人の人口を抱える商圏の将来性を見込んで、家電量販店、衣料、コンビニなどが進出の機会をうかがっている。そうした薩摩の地で流通業の発展を支えているのが、大和ハウス工業きっての“稼ぎ頭チーム”である鹿児島支店の流通店舗営業所だ。

土地のオーナーと出店先を探すテナント企業との“仲人役”を務め、賃貸契約のアレンジから設計や施工、そして管理までの店舗開発を一貫して請け負う「流通店舗事業」を同社がスタートさせたのは1976年。以来、ユニクロ、セブン-イレブン、マクドナルドなど約3900社ものテナント企業との取引が始まり、いまでは全国で3万2000件超の施工実績を持つ“日本一の商業施設デベロッパー”となっている。

流通店舗事業は収益面でも同社の大きな柱に育ち、2011年3月期におけるセグメント別の予想営業利益で、商業施設は48.9%の賃貸住宅につぐ38.2%のシェアを占める。特筆すべきはその利益率の高さで、商業施設は11.7%と賃貸住宅の8.6%を大きく上回る。

鹿児島支店の流通店舗営業所による累積の施工数は500件超。全国に65もの営業所があるうえに、地方に位置していることを考えると、並の実績ではないことがわかる。また、10年連続で利益目標額をクリアし、本部も「他の営業所ではなかなかないこと」と認める。11年3月期の上期には1人当たりの受注棟数で全国トップになった。