いつまでも元気に動く体をつくるにはどうすればいいのか。フィットネストレーナーのサイモン・ウォーターソン氏は「重要なのは、筋力と持久力を向上させる上半身のトレーニングをすることだ。たとえばダニエル・クレイグは50歳で5度目のジェームズ・ボンドを演じるとき、適切なトレーニングによって過去最高の肉体を手に入れていた」という――。

※本稿は、サイモン・ウォーターソン『インテリジェント トレーニング』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

男性の筋肉
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2人のジェームズ・ボンドと数多のボンドガールを鍛えた

ジェームズ・ボンドは私の仕事の大きな部分を占める。私は、『ワールド・イズ・ノット・イナフ』から『ノー・タイム・トゥ・ダイ』までの7作品で、20年以上にわたりジェームズ・ボンドのパーソナルトレーナーを務めている。

007のファンであり、ヘルス・アンド・フィットネスコーチとして、私は007の2作品のためにピアース・ブロスナンをトレーニングする栄誉にあずかった。そのあとは、ダニエル・クレイグが5作品で007を演じるのに必要な肉体づくりができるよう、一緒に仕事をしている。たくさんのボンドガールのトレーニングも含めて、こうした時間を過ごすことで、私もボンドファミリーの一員になれた気がする。

2005年10月、クレイグが新しいジェームズ・ボンドだと発表された数日後に、私は彼と初めて会った。そのときクレイグは片手にベーコンのサンドイッチ、片手に手巻きタバコを持っていた。彼は別の作品の撮影でワシントンD.C.にいたので、007シリーズのプロデューサー、バーバラ・ブロッコリから電話があったあと、私はそこに飛んだ。

ブロッコリは電話で、会ってほしい人がいると言った(もしバーバラから電話があったら出たほうがいい)。クレイグがサンドイッチと手巻きタバコを持っている姿に私はすっかり魅せられてしまった。「トレーナーの方ですか?」とクレイグが言い、私が「そうです。さあ、いまから始めましょう」と答えた。