ぽっこりお腹やお尻のたるみを改善するにはどうすればいいのか。ウォーキングコンサルタントの犬飼奈穂さんは「重力に負けて体の重心はどんどん下がっていく。固くなってしまった背中の筋肉をゆるめて、骨や内臓を本来のポジションに戻すことを意識してほしい」という――。

※本稿は、犬飼奈穂『背中をゆるめると健康になる』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

おなかの脂肪
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体重をキープしたまま、スリムな体型になれる

「食べたいけどやせたい」「やせたいけど食べたい」。もしこんな堂々巡りに陥っていたら、「体重を落とさなければいけない」という考えを、一度手放してみてはどうでしょうか。

なぜならば、やせるということは、必ずしも体重を落とすということではないからです。

私はウォーキングスタジオを主宰し、これまで6000人以上の生徒さんに直接指導してきましたが、体重はキープしたまま「スリムになった」生徒さんをたくさん見てきました。特別な食事制限をしなくても、背中の筋肉をゆるめるだけで人はやせることができるのです。

ここで言う「スリムになる」というのは、単純に「体重が減る」ということではありません。洋服がサイズダウンする、お腹が引っ込む、スタイルが良くなるなど、「見た目が変わる」ことを指します。

外見のコンプレックスが原因でダイエットを心掛けている方は、「背中の筋肉をゆるめてスリムになる」という考え方をぜひ参考にして頂きたいと思います。

体の「重心」が下がると太って見える

なぜ背中をゆるめると、やせることができるのでしょうか?

そのカギは、体の「重心」にあります。

ほとんどの人は筋肉が固くなると同時に、体の重心が下がってしまいます。重心が下がると、それだけで体がワンサイズ大きく見えてしまいます。重心が下がると、顔は大きく見え、お腹はつき出て、お尻はたるんで大きくなります。太ももも外側に張り出すので太くなります。

さらに、背中は丸く、肩は内に巻くので、肩は広がり、二の腕は太くなります。デメリットだらけですね。

人はただでさえ重力の影響を受けるので、常に体を上から押されている状態にあります。この状態で背中の筋肉が固くなると、筋肉は弾力性やしなやかさを失い、縮まってしまいます。

収縮したまま固くなってしまうと伸ばせなくなるので、重力に負けて体の重心はどんどん下がっていきます。