※本稿は、犬飼奈穂『背中をゆるめると健康になる』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
体の不調は「歳のせい」ではなく「背中」
肩や首がいつも重い。体があちこち痛む。すぐに疲れてしまう。ぐっすり眠れない。イライラすることが増えた。体型も崩れて下腹がポッコリ。着られない服が増えた。年齢を重ねるほどに増えていく、肩や腰などに慢性的な痛み、メンタルの不調やコンプレックス――。なんとか改善させたくて、高いお金を払って整体に通いつめたり、何軒も病院をはしごしたりしていませんか?
もし効果を感じていないのであれば、一度ご自身の「背中」に目を向けてみて下さい。
冒頭に挙げたさまざまな痛みや不調、体形の崩れは、「歳のせい」や「疲れがたまっているせい」ではなく、実は、知らないうちに「背中が固くなっている」ことで引き起こされていることが多いのです。背中が固い状態に気づかずに放置している限り、なかなか改善されません。
「背中が固くなっている」と言っても、すぐにはイメージしづらいかもしれません。
具体的には、「体の後ろ側の筋肉=背中の筋肉」が、こり固まっている状態を指します。多くの人は、日常生活で「体の前側」の筋肉ばかりを使っています。ものを掴む、パソコンやスマホの操作をする、料理をする、歩く……普段の生活では、残念ながら「体の後ろ側」の筋肉はほとんど動かせていないのです。
動かせていないと、筋肉は固くなります。ただ、肩や首の固さと違って、背中の固さはなかなか自分では気づきにくいかもしれません。背中に意識を向けること自体がそもそもあまりないからです。