テスト前なのにちっとも勉強しようとしないわが子。思わず脅すような厳しい言葉をかけてしまった経験のある親は多いはず。「脳トレ」で知られる東北大学教授の川島隆太さんは「“脅し”や、ご褒美を与えるような“取引”の言葉は、かえって子どもの成績に悪影響を与える可能性が高い」という──。(第2回/全3回)

※本稿は、川島隆太『脳科学研究がつきとめた「頭のよい子」を育てるすごい習慣』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

「脅し」「報酬」は成績向上には効果なし

明日はテストなのに、子どもがまったく勉強しようとしない──。そんなときには、いったいどんな声かけがベストなのでしょうか。

「テストの点数が悪かったら、今月のおこづかいは“なし”だからね!」
「テストが80点以上だったら、欲しがっていたゲームを買ってあげるよ」

意識せずにこんな「声かけ」をしている親御さんは少なくないでしょう。

しかし、親御さんがよかれと思って発した言葉でも、それが不安をあおったり、ごほうびを約束したりするような声かけだと、子どもの成績には悪影響にしかならない可能性が高いといえます。

紙幣を見つめる少年
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小中学生4万人調査でわかった家庭の「超」重要習慣4つ

なぜなら、私たちの研究グループが行った研究で、「目的意識を持って自主的に学習する子どもほど学力が高くなる」傾向があることが明らかになったからです。

不安感やごほうびからは、目的意識は芽生えない、ということです。

それでは、いったい何が子どもの目的意識を引き出すのでしょうか──。

仙台市の小学5年生から中学3年生、約4万3000人を対象にした調査・分析から、次の要素が浮かび上がってきました。