40歳を超える頃になると、人間関係で意外に悩むのがお酒の席での振る舞い方。セブン‐イレブン限定書籍『迷わない生き方』を上梓した漫画家の弘兼憲史さんは「妙なこだわりを持つようになる人が出てきますが、『酔ったときの会話はその場限り』を鉄則に、楽しいと思える人との付き合いに絞っていってもいいのではないか」という――。

※本稿は、弘兼憲史著『迷わない生き方』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

「美味しそうにお酒を飲む人はいい人である」

ぼくは常日頃から、

美味しそうにお酒を飲む人はいい人である
美味しそうにご飯を食べる人はいい人である

と思っています。

幸せそうな顔をして飲んだり食べたりする人を見ていると、何だかこちらまで楽しい気分になってきます。

ぼくが誘った人であればなおさらです。

彼らがそのように心を解放して、自然に振る舞うことができるのは、その場に何も引きずってきていないからです。そんな人たちとは、これからも長く付き合っていきたいと思います。

レストランのランチで楽しむシニア
写真=iStock.com/DuxX
※写真はイメージです

食事の席に“妙なこだわり”は持ち込まない

反対に、何を食べても何を飲んでも、表情ひとつ変えない人たちがいます。

美味しいと思っているのか、まずいと思っているのかもわかりません。何か考えごとでもしているのでしょうか? もともとの性格なのでしょうか?

食事の席に“妙なこだわり”を持ち込む人も苦手です。

周りのことも気にせず、酒の銘柄や食材の産地などにまつわるうんちく、食べ方・飲み方の作法などの知識を一方的に披露して、一人えつる。

一通り聞かされた頃には、こちらの酒までまずくなってしまいます。