※本稿は、青山ブックセンターで行われたイベント「“GO三浦さん、話し方トレーニングに出資しませんか?”──『話し方の戦略』を実行する公開プレゼン!」の内容を抜粋・再構成したものです。
「話し方」とは技術である
【三浦】ビジネスのベースになる言葉の選び方、話し方の技術というのはやっぱり“平均値”をもっと上げたいですね。政治家とか経営者にしてみても、本当にヘタですもんね。
僕も実は、広告だけでなくスピーチライターの仕事もしているんですけど、本当に技術がないなと。そもそも、「話し方に技術がある」っていう感覚がみんなあまりない。
【千葉】「うまい人はうまい」ものである、と。
【三浦】そう。「生まれつきでしょ」みたいなことになっているんだけど、要は運動神経と一緒で。生まれながらに上手な人ももちろんいるんだけど、ある程度技術を身につければ、一般の人よりはできるようになるはずです。
誰もが野球でいうところの大谷翔平になれるわけじゃないし、なる必要もないんだけど、技術として話し方を身につけることは可能だという認識をまず持ったほうがいい。
オリジナリティは基礎から生まれる
【千葉】この仕事をしていると「話し方のトレーニングを受けたらみんな同じ話し方になるんじゃないですか」とよく質問されるのですが、まず、なりません。
トレーニングで行うのは、話す力に必要な要素を分解して、言語化や構成力、抑揚など一つひとつの「話の筋肉」を鍛えていくプロセスです。なので、結果的には自分のパーソナリティにあったわかりやすい話し方が実現できます。
多くの人はそもそもやり方がわからなかったり、何から手をつければいいのか、どうやってうまくなっていけばいいのかわからないという状態なので、その状況を変えたくて「話し方トレーニング」の事業を展開しています。
一方で、むしろ三浦さんのように自己流のやり方がある人は、むしろそれを守っていただいていい。
いずれも、自分なりの努力をして、話し方を良くしていくことに向き合うことが大切だと考えています。
【三浦】べつに経営者レベルじゃない一般のビジネスパーソンでも、それって大事で。
基本的にビジネスで行われていることというのは、相手にイエスと言ってもらう、つまり「合意を取り付ける」ことでしょう。
「はい」
「電通でも博報堂でもなく、GOとCMを作ってください」
「はい」
合意を取り付けることをほとんどやってるわけです。そのときに相手の決断を促すのは、テキストコミュニケーションよりも会話のコミュニケーション。この会話のクオリティによって仕事の成果が変わってくる。
じゃあこれは天才だけが持つ特別な能力かといったらそうじゃなくて、ある程度はうまくなれるよ、と。そこから先、独自の型をつくっていってもいいし、いろいろ現場を積み重ねていくうちに自分の型ができちゃったみたいな人もいるんだけれども、一定程度は学んだほうがいいですね。