「明るい未来」について親子で会話する重要性

「将来、こんなことをやりたい」「いつかこんな夢をかなえたい」。

そんな明るい未来を夢見ている子ども、将来の目標を持っている子どもほど学力は伸びていきます。

東北大学の研究チームが仙台市の中学生のアンケート調査の結果を、AIを使って分析したところ、「将来の夢がある」と答えた子は、そうではない子と比べて偏差値が高くなる傾向があることがわかりました(図表1)。

【図表1】「将来の夢がある子」=「よく勉強する子」
将来の夢がある子は、そうでない子よりも偏差値が高くなる傾向にある。『脳科学研究がつきとめた「頭のよい子」を育てるすごい習慣』より

要は、人は目標がしっかり定まることで、はじめてグンとやる気が高まり、がんばることができるということ。

「将来は医者になってたくさんの人を助けたい」といった夢があれば、数学や理科をしっかり勉強しなければと考えます。「いろんな国でいろんな人と一緒に働けるようになりたい」なら、真剣に英語に取り組むようになるものです。

テレビを見る家族
写真=iStock.com/skynesher
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子どもは学年が上がるにつれ「夢」や「目標」を失う

ところが、学力向上のブースターになるはずの「将来の夢」を持っている子どもが、学年が上がるにつれて少なくなる傾向にあることも、私たちの調査でわかりました(図表2)。

【図表2】将来の夢や目標を持っている割合
将来の夢や目標を明確に持っている子どもの割合は、学年が上がるにつれて低下していく。『脳科学研究がつきとめた「頭のよい子」を育てるすごい習慣』より

小学3年生では約9割の子どもが「将来の夢や目標」を持っていたのに、学年が上がるにつれてどんどんその割合が減り、中学3年生では7割弱になるという結果でした。