話が伝わらないときはどうすべきか。元日本マイクロソフト役員の澤円氏は「『言ったはずですよね』と相手を責めても問題は解決しない。まずは謝ったうえで“質問”し、解決のプロセスへと進めていくことが大事だ」という――。
※本稿は、澤円『うまく話さなくていい ビジネス会話のトリセツ』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
ビジネス会話の第一歩は「合意」
「あのとき言ったはずなのに」
「何回も言っているんだけどなあ」
「この話、前にもしましたよね」
心のなかで、こう嘆いたことがある人も多いと思います。
ビジネスシーンで頻発する、「言ったことが伝わらない」問題。この問題を解決するため、僕は「ビジネス会話」を次のフレームワークで捉えています。
ビジネス会話は、「合意」と「定着」で考える。
まず、ビジネスをうまく進めていくには、関わる人たちがなんらかの「合意」に至っておくのがとても重要だということです。
合意するとは、ゴールを共有するとも言い換えられます。当然ながら、到達したいゴールがなければ、そこへ向けたステップが進んでいきません。
もし、合意なしで実行すると、途中で衝突が起きる可能性が高まります。「わたしはそんなつもりじゃなかった」「こんなはずじゃなかった」と言い合う状況が生まれるわけです。だからこそ、まず当事者同士で、なんらかの合意をすることが大事になります。