Z世代を意識したグミのマーケティング
1990年代半ば以降から2010年代前半に生まれたZ世代。消費のパイとしては小さいが、デジタルネイティブである彼ら・彼女らの価値観や消費スタイルに着目したマーケティングは、新たなニーズを掘り起こすヒントになり、幅広い世代への波及効果も期待できる。
Z世代は多様性を重視し、個性を認め合う傾向が強いとされる。失敗談も含めてネットで何でも調べられるからこそ、Z世代は製品の購入に対して慎重な面もある。そして、生産や流通、決定に至るプロセスの透明性を求め、企業の広告色の強い発信を好まない。
「SHIBUYA109lab.」所長の長田麻衣さんは「Z世代はSNSでトレンドを追いかけていて、あまり豊かではないが好きなものにはお金をかける。そういう人たちが今後、消費の中心になっていく。企業側から見ると『一緒に商品を盛り上げていくパートナー』として、きちんと動向を見ていくべき対象だ」と指摘する。
SNSの「お薦め」が購入の判断材料
コミュニケーションの仕方もほかの世代とは異なる傾向がある。『日経MJ』が2021年11月に実施したZ世代の価値観に関する調査では、製品・サービスの購入で参考にする情報(複数回答)は「インスタグラム」(37.9%)が最も多く、「ツイッター(現X)」も21.3%に上った。ミレニアル世代にあたる27~38歳はインスタグラムが25.5%、ツイッターが12%だった。「口コミ」はミレニアル世代の19.7%に対してZ世代は23%と高い。
Z世代は画像や動画を介したビジュアルコミュニケーションを重視する。視覚的な共通認識のもとで交流し、SNSで得られる身近な人のお薦めを購入の判断材料にする傾向が強いと見られる。