どうすれば説得力を持って話せるのか。デビュー作『話し方の戦略』が発売たちまち3刷と話題のスピーチライター・千葉佳織さんは「話のなかで上手に引用を行うのが効果的だ。なかでも『会話文』として他者の言葉をうまく組み込めると、説得力が格段に上がる」という――。

※本稿は、千葉佳織著『話し方の戦略 「結果を出せる人」が身につけている一生ものの思考と技術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

主張を底上げする「会話文」の引用

「話す」という行為はその性質上、基本的には自分の意志決定をもとに、自分の視点で語るものとなります。

そこで「自分以外の視点が明らかに入っている」と上手に表すことができると、説得力が格段に上がります。

効果的な手法が、「会話文」を挿入することです。

「会話文」とはおもに「他者の発言」を指します。あなたの伝えたい内容を補強し肯定するために「他の人もこう言っていましたよ」と引用を行うのです。

あなたの主張が「複数の意見」によって底上げされることになり、話を聞いてみようかな、と思わせる力が増します。

会議するビジネスウーマンとビジネスマンの手
写真=iStock.com/kickimages
※写真はイメージです

n数を増やして話を立体的にする

例えば私はよく、「話し方って学ぶとどうなるんですか?」と聞かれます。

立ち話などのときは、定量的なデータを見せることも、ビフォーアフターの動画を見せることもできません。そこで、

>ある経営者の方は「サポートしてもらって総会をやって、15年経営してきてはじめて会社がまとまったと感じた」と言ってくれました。
人前で話すときに緊張で過呼吸になり倒れてしまったことがあるという受講者から、「堂々と話す自信がついた」と言ってもらえたんです。

このように、これまで私がもらった言葉を添えていくのです。そうすると、私の視点で語られていたn=1の話が、n数が増えて立体的になります。

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