小池百合子「私はAI」の謎発言

小池百合子・東京都知事の「私はAI」発言を覚えておられるだろうか。2017年8月の定例記者会見で豊洲移転問題の最終判断について「検討経緯の記録もなく、知事と顧問団の密室で下されたものではないか」と指摘された小池知事が、「文書が不存在なのは、AIだからです」「(各種の案の中からの)最後の決めは、人工知能」「人工知能とは、つまり最終決定者である私」と述べた一連のくだりである。

要するに決定経緯の記録が残っていないこと、明確な理由なく複数の案から一つを選んだことをはぐらかす発言だったのだが、「AIが人間を超える日が来る」と信じるシンギュラリティ論者でなくとも、この発言には呆れたはずだ。

小池百合子都知事の発表を示すスクリーンを見あげる女性
写真=iStock.com/Fiers
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AIはデータ学習を重ねることによって最適解を導き出していく。だが小池百合子という政治家のこれまでの手法を考えると、AIというよりもむしろ、良くも悪くも「政界ハッキング」「政界ハッカー」というべき手法が目立つ。