郊外に住む3人家族。62歳の父親は3年後にリタイア、60歳の母親は無職、30歳の長女は中学校時代のイジメが原因で、一度も働いたことがない。家計相談を受けたファイナンシャルプランナーは障害年金の受給を薦めたが、「私なんかがもらっていいのか」とためらう。その問いにどう答えるべきか――。
ひきこもり
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働けない30歳のひとり娘を抱える60代両親の苦悩

ある平日の午後。筆者は郊外の一軒家を訪ねました。ご家族から「ひきこもっている長女本人(30)も同席したいと言っているので、自宅まで来てほしい」との依頼があったためです。

室内のリビングテーブルに座った筆者は、母親(60)と向かい合っていました。しかし、長女の姿はありません。母親は申し訳なさそうに頭を下げました。

「長女も同席するはずでしたが、体調が優れないようで自室で休んでいます。主人(62)は会社へ行っており不在です。相談は私ひとりでもよろしいでしょうか?」
「全然構いませんよ。あまりお気になさらずに」

筆者はそう言い、まずはご家族の状況と家計状況を伺うことにしました。