VIPたちの㊙エピソード

私はANA(全日本空輸)のCA(客室乗務員)だったころ、定期便のファーストクラスだけでなく、VIP専用チャーター便の担当客室乗務員をしていました。これらの便を利用するのは、天皇皇后両陛下や政権のトップに立つ方、国賓として招かれた他国の王族などに限られます。このような正真正銘のVIPのお世話をするうちに、気がついたことがあります。それは、超一流と呼ばれるような方であればあるほど、誰に対しても分けへだてなく礼儀正しい態度をとられるということ。そして感謝を表現なさる場合は、とてもシンプルで、かつ的確な言葉をお選びになるということです。つまり、どなたも素晴らしく「お礼上手」。

ANA元トップCA 里岡美津奈氏

超一流の方はとにかく周囲の人のことをよく見ていらっしゃる。何かしてもらったら、ただお礼を言うのではなく、相手がしてくれたことの裏側や本質を見て、それについて褒めてくださったり、お礼をおっしゃったりする。なんでもかんでも「ありがとう」ではないのです。