「お心にはお心で返す」のが私たちのモットー

他方、言葉だけでなく、プレゼントやお礼状などで感謝を示してくださるお客様も少なくありません。たとえば機内販売で高級チョコレートをお求めになり、外側のパッケージを破いたあと、「みなさん、長いフライトで大変でしょう。よかったら食べてください」と言って、私たちへの差し入れにしてくださるお客様もいらっしゃいます。ただ、私たちはチップや贈り物などを受け取ってはいけないことになっていますから、「お気持ちだけで十分です。どうぞこのままお持ち帰りください」と言ってお断りするところです。しかし、わざと私たちの前で開封してから渡されるのです。そうすればきっと私たちも受け取りやすくなるだろうというお気遣いなのだと思うにつけ、そのお気持ちに感服しておりました。こちらも、できるだけそのお気持ちにお応えしようと機内食のデザートプレートに「お気遣いをありがとうございます」とチョコレートでメッセージを書いたりする。「お心にはお心で返す」のが私たちのモットー。地上からはるか離れた上空で、そんな「気遣い合戦」が繰り広げられているのです。

Q:感謝の気持ちを伝えたいときどうする?
A:「どうも」と「ありがとう」の間に一拍の間をつくる

里岡美津奈(さとおか・みつな)
ANA元トップCA
全日本空輸で国際線のチーフパーサーとして乗務。うち15年間はVIP特別機を担当。現在は一般企業や医療法人でコミュニケーションスキルアップの指導を行う。『「また会いたい!」と言われる女(ひと)の気くばりのルール』など著書多数。
(構成=長山清子 撮影=むかのけんじ 写真=読売新聞/AFLO、AFLO)
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