機内で天皇陛下にサービスをした際に

機内で快適に過ごすには、同じ空間を過ごす者同士の、思いやりとコミュニケーションが大切です。時には高圧的な態度をとったり、理不尽なリクエストをするお客様もいらっしゃいますが、決して気持ちがいいものではありません。

乗務するCAはできる限りお客様の希望に対応したいと思っています。私が乗務していたときも、理不尽な要求であってもクレーマーだとは受け取らず、「この方の本当の望みは何だろう」と考えていました。マニュアル通りの機械的な対応ではなく、人間同士のコミュニケーションが大切なのです。

飲み物を出すCA
写真=iStock.com/Hispanolistic
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お客様が疲れた様子や、言葉数が少なかったりする場合は、声かけをなるべく控えることがあります。リクエストがある場合は、「言わなくても察して」というよりも、ご希望を具体的にお伝えいただいたほうが、結果的に気持ちよくお過ごしいただけると思います。

「一目置かれるお客様」のコミュニケーションはとてもスマートです。もちろんCAはすべてのお客様に公平なおもてなしを心がけていますが、やはりサービス精神をくすぐるお客様に好印象を抱きます。結果的に、良いサービスを受けられることもあると思うのです。

私はかつて、上皇ご夫妻(当時の天皇ご夫妻)と、天皇ご夫妻(当時の皇太子ご夫妻)の機内サービスを担当していました。両ご夫妻こそ、気遣いとコミュニケーションのお手本だと思います。CAと会話をする際に、必ず体を私たちのほうへ向けて、聞く姿勢をとってくださいます。機内アナウンスに対しても、その方向に体を向けられます。きちんと耳を傾けて聞いてくださることが伝わり、とてもうれしく思いました。

両ご夫妻は常に周りをよくご覧になられて、最大限のお気遣いをしてくださいます。やはり、いちばんのマナーは「相手を思いやる心」だといつも両ご夫妻のお姿から学ばせていただきました。