人に自分の話を聞いてもらうには、どうすればいいのか。コクヨのコンサルタントである下地寛也氏は「話がつまらない人には3つの共通点がある。それは、『緩急がない』『数字がない』『事例がない』だ」と説く――。

※本稿は、下地寛也『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)を再編集したものです。

話の途中で聴衆をドキッとさせているか?

話のつまらない人、いますよね。本人は真面目に話したりプレゼンをしているのに、どうしてもだんだん眠くなったり、集中が途絶えて他のことを考え始めてしまったり……。

私も昔はその「話のつまらない人」でした。なにせ、人と話すのが苦手だからという理由で、デザイナー職を志望してコクヨに入社したほどだったのです。オフィスの設計者になりましたが、案の定、顧客対応が下手すぎて上司や営業に怒られる日々。「会社辞めたい……」と思いながら働いていたものです。

それが今では、プレゼンで「YES」を引き出すための言い回しのコツをまとめた本を出すようになりました。それは20年にわたり、「眠くなるプレゼン」と「引き込まれるプレゼン」を自分なりに研究しつづけた結果です。

ここではその中から「話のつまらない人の共通点」に焦点をあて、3つのポイントをご紹介しましょう。

つまらない話には「緩急」がない

ポイント1。つまらない話には、緩急がありません。だから眠くなります。

下地寛也『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)より(イラストレーション=たかだべあ)

たとえば、「それって本当に正しいの?」と世の中の常識に疑問を投げかけられると、人はドキッとします。突然「あなたがいつも面倒だと嘆いているその仕事って、本当に必要なんでしょうか?」なんて言われたら、思わず考えてしまいますよね。

「たしかに深く考えていなかったけれど、言われてみれば本当にこれで良かったんだっけ?」と思考がグルグル回り始めます。

一般的に当たり前だと言われている物事にツッコミを入れる。これは、相手の眠気を吹き飛ばすのに大きな効果を発揮します。つまりは「常識を疑う」ということです。

しかし、「常識を疑え」と言われても、何が常識かを意識するのは難しいものですが、やってみればいくらでも例があるはずです。