毎日、何気なく歯を磨き、電車に乗って、上司に挨拶をして、パソコンのメールをチェックし、お客様のオフィスを訪問する――。そんな無意識の行動のどこかに、疑問を投げかけるわけです。

「そのメールって本当に意味があることなんでしょうか?」
「それがお客様との最適な関係なんでしょうか?」

この人はなんてモノゴトを深く考えているんだろう、と聞き手は思います。そして「自分は深く考えずに日常を過ごしている。何が本当の答えなのかな?」とその先の話を聞きたくなるでしょう。

つまらない話には「数字」がない

下地寛也『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)より(イラストレーション=たかだべあ)

ポイント2。つまらない話には数字が出てこない。だからぼやけています。

説得力を増すために数字を使うのは、常套テクニックです。たとえば、「たくさん売れてます」「かなり安いです」と言われるより、「10秒に1個売れています」「他社より3割安いです」と数字を使って具体的に言われるほうが、聞き手はずっとクリアに理解できます。

さらに、プレゼンをするビジネスパーソンにとっては別のメリットもあります。数字を使えば、イメージがズレることがありません。誰にとっても10秒は10秒ですし、2000個は2000個でしょう。

ただし大すぎる数字には要注意

ただ、数字があまりにも大きいと聞き手がイメージできなくなりますので注意が必要です。「新規格では20000Mbpsの超高速な通信速度を実現するんです」と言われても、普通はピンと来ません。

なので、比較対象と比べて数字を言うようにしましょう。たとえば「旧規格が200Mbpsだったので、新規格はその約100倍の速度です」と言えば、詳しくない人でもその速さ、革新性をイメージできるでしょう。

他にも、「1日2000個できる商品が、毎日3時には売り切れます」「私は80キロだった体重を、これを使って2カ月で68キロまで落とせました」などなど、数字を入れることで切れ味が増す事例はたくさんあります。

ちょっと調べたり計算したりして、話に数字を入れてみてください。