つまらない話には「事例」がない

ポイント3。つまらない話には、事例がありません。だから退屈なのです。

下地寛也『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)より(イラストレーション=たかだべあ)

人との会話はもちろん、プレゼンにもライブ感は重要です。今日あった出来事を盛り込むと、聴衆の興味を引くと同時に、「プレゼン力が高い!」というイメージを与えられます。

ただ、どんな話をするかは考慮が必要です。単なる雑談にならないよう、入れ込むエピソードはプレゼンにつながる内容にしましょう。単なる雑談になってしまうと、一気に「出た、脱線……あと何分延びるんだ?」と思われてしまいます。

だから、「お金」の話であれば「お金」のエピソード、「イライラ解消グッズ」の話であれば「駅で怒っている人」のエピソードを入れるのです。

「今日あった出来事」を入れ込むリアリティ

下地寛也『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)

たとえば子供向けのスマホアプリの話であれば、駅で見かけた親子のエピソードは使えます。「今日、困った親子を見まして、子供は商店街をドンドン進んでいくのですが、母親はスマホで電話していて子供に注意を払っていない。しばらくすると……」みたいな感じです。

そして、「泣きじゃくる子供を抱っこしたお母さんが子供に謝る姿をみてホッとしました。よくあることだと思いますが、今日プレゼンしたいスマホアプリも……」と本筋に戻します。

「今朝、幼稚園の前で子供を叱っているお母さんが急に……」とか「今日、ランチタイムに店員さんにこんなことを言われました」などと話し始めたら、「お、何があったんだ?」と気になりますよね。

すぐに本題に入る単刀直入さも有効なスキルですが、あわせてこの「今日あった出来事を盛り込んだリアルさ、ライブ感」というスキルもぜひ、身に付けていただきたいと思います。

下地 寛也(しもじ・かんや)
コクヨ株式会社ワークスタイルコンサルタント
1969年、神戸市生まれ。2008年から[コクヨの研修]スキルパークを主宰。未来の働き方を研究するワークスタイル研究所の所長、ファニチャー事業部の企画・販促・提案を統括する提案マーケティング部の部長などを経て、現在は経営管理本部にて、コクヨグループの働き方改革や風土改革に取り組んでいる。
(イラストレーション=たかだべあ)
【関連記事】
モンスター親をふるい落とす名門校の質問
富裕層は「スマホ」と「コーヒー」に目もくれない
ゆとり世代社員は小室圭さんにそっくりだ
桁外れにつまらない「私の履歴書」の凄み
百戦錬磨"銀座ママ"がキュン死する言葉