※本稿は、下地寛也『「しやすい」の作りかた』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
口うるさく言っても片づかない「子どもの洋服」
6人家族の我が家の場合、何と言っても困るのが増え続ける「洋服」である。それほどオシャレにこだわる娘たちではないが、それでも中学、高校と進むにつれてサイズが大きく、量も多くなっていく。
しかも少し年の離れた四女がいるために、お姉ちゃんたちが着られなくなった服でも“オサガリ”のために取っておく習慣がある。
子供たちに「片づけなさい」と口うるさく言っても片づかない。洋服ダンスの上には積みっぱなしの服が増えていく一方で、リビングにはつねに誰かの服が置きっぱなし。「整理しにくい」「片づきにくい」状態がずっと続いていた。
毎日それを片づける親の立場からすれば、深刻な問題だ。そこで、夫婦で解決策を話し合うことにした。その結果見えてきたのは、2つの問題点だった。
問題2 どんどん増えていく洋服(もの)に対して、捨てる基準がないこと
「とりあえず戻す用」の収納ボックスを買ったが…
まずひとつ目の問題。子供たちに「片づけなさい」と言ってはいたものの、そもそも収納する洋服(もの)の量がタンスや収納ボックス(ハコ)の容量より多いのではないかということに気がついた。「ものの量」>「ハコの容量」なのだから、片づくはずがない。
ギューギュー押し込めば入れられなくもないだろう。ところが、それでは「取り出しにくい」し、ましてや「整理しにくい」。少なくとも整理するためのバッファー(余分)スペースがない状態である。余裕がないと入れるのが億劫になり、よく使う服ほどタンスの上に置きっぱなしになる。どんどん積み上がる。片づけるのが面倒になる。この悪循環が続いていたのだ。
そこで妻と相談して、引き出しが5つある「収納ボックス」を2つ購入した。するとどうだろう。洋服がリビングに置きっぱなしになることはピタッとなくなった。どの引き出しを誰が使うかだけを決めて、「とりあえず引き出しに戻す」というルールを作るだけで、ものが「片づけやすい」のだとみんなが実感した。
自分の収納場所さえ明確ならば、中身はそれほどキレイに整理しなくても、探すのには困らない。必要なのはバッファーのスペースを維持することだったのだ。