「モッタイナイ」をなくせば整理しやすい環境ができる

こうして「即捨て」「モッタイナイ」のプレッシャーから解放された娘たちは、勢いよく3軍の段ボール箱に服を投げ込むようになった。

その結果、我が家の服が溢れる問題は解決。洋服ダンスには適度なバッファーのスペースを維持しながら、つねに「整理しやすい」環境を作ることができた。

洋服は「ジャンルごとに分ける」という常識を疑い、「1軍、2軍、3軍」という別の発想で分けることで、「整理しやすく、片づけやすい」という目的を達成したわけだ。

さまざまな服がしまわれたワードローブ
写真=iStock.com/Giselleflissak
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ひとつだけ注意点があるとすると、リバウンドをしないためには親が責任をもって、洋服の「2軍、3軍行き会議」を子供としたほうがよいということだ。子供はすべて1軍に残したがる。我が家では、半年に一度の衣替えの時期に勇気をもって、「最近、この服あまり着ていないんじゃない?」と聞くようにしている。

「デスクに山積みの書類」はどうすればいい?

「仕事場のデスクが片づかない」という悩みを抱えている人は多い。じつはこれも、先ほど説明した「服の片づけ」とほぼ同じやり方で解決できる。

散らかっている人の机には、書類や資料がうずたかく積まれていて、下手をすると書類が雪山のようになっていて雪崩なだれが起きるのではないかと心配になる。机上面のほとんどが物置と化しており、作業スペースがちんまりとあるだけだ。

デジタル化が進むとおのずとペーパーレス化も進み、机の上がスッキリするのではないかと20年前は思ったが、まだまだ紙の便利さは無くしがたい。

「コクヨさんはほとんどペーパーレス化されているんですか?」と聞かれることもあるが、たしかに減っては来ているが、当分の間ゼロにはならないだろう。

私はかつて研究部門にいたときに、デスクの机上面がどのように使われているのかを調べたことがある。

標準的なデスクサイズは幅120~140センチ、奥行70センチ程度。パソコンはデスク中央に置かれていて、その前にA4用紙を置くスペース(幅80センチ程度。ここがワークスペース)があり、これを見ながらキーボードをたたくというスタイルが多い。

パソコンの左右はものを置くスペース。左手で取ることの多い電話は左側に、右手で書く書類、メモなどは右側に置く人が多かった。