肥料価格は24年以降横ばい

次の図表3のとおり、肥料価格は21年から23年まで上昇したのち24年に下がり以降横ばいである。コメの全算入生産費(玄米60キログラム)は、2018年産の1万5352円から21年産1万4758円に低下したのち、22年産1万5273円、23年産1万5948円、24年産1万5814円となっている。

最も低い18年と最も高い23年を比較すると、この間肥料価格が2倍になっているが、全体の生産費の上昇は8%にとどまっている。肥料価格の動向から、26年産についても、24年産の生産費から大きな変動はないと考えられる。

なお、肥料、原油、穀物などの価格が上がると、そのまま下がってこないという印象を受けたり、そのような主張がなされたりすることが多いが、経験則からすれば、上がったまま戻ってこないことはない。

【図表】硫安・尿素の全国平均小売価格の推移
農林水産省農業生産資材 月別年次別全国平均小売価格より筆者作成

生産コストが同水準の2018年度で検証

次の図表4は、米価が1万5688円で、コスト(60キロあたり1万5352円)も24年と同水準だった2018年のコメ農家の経営状況である。ベンチマークとして示しておきたい。

【図表】コメの規模別生産費・所得(2018年)
出典=平成30年農業経営統計調査より筆者作成

この時でも、コストが高い1ヘクタール以下の農家は赤字であるが、コメ供給のかなりを占める30ヘクタール以上規模の農家は1600万円くらいの所得をあげていた。今年産よりも大幅に低い1万6000円の米価でも、農家が廃業してコメが食べられなくなるなどの議論は、当時農業界でさえも行わなかった。なお、図中の生産費は、所得に当たる労働費を含む全参入生産費ではなく、物財である。