文章を書くのは難しい。途中で行き詰まってしまうこともある。そんなとき、プロはどうしているのか。studio-K代表取締役の中野巧さんは「妄想インタビューをしてみるといい。例えば上司ならどう考えるか、など具体的な人物を想定して頭のなかでインタビューをする方法だ」という――。
※本稿は、中野巧『書ける人になる』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
「ぼんやりしながら」書きはじめる
「さあ、集中して書くぞ!」と意気込むほど、手が止まる。スポーツでも、緊張で体が固くなるほど上手くいかないように、文章も力めば力むほど書けなくなります。
なぜか? 集中した瞬間、あなたの中で「ジャッジモード」が発動するからです。
「これはいい内容か?」「ちゃんとした文章になってるか?」「変に思われないか?」。
まだ一行も書いていないのに、頭の中の審査員が手ぐすね引いて待っている。一歩進んでは二歩戻る沼に引きずり込まれて、しんどくなる原因は、ここにあります。
だから、最初はぼんやりしてください。
ぼんやりとは、判断を手放すことです。良いも悪いもない。正解も不正解もない。頭に浮かんだことを、そのまま出す。「今日疲れた」「夕焼けきれい」「会議があった」。バラバラでいい。つながりなんていらない。大事なのは、審査員を黙らせること。
「上手く書こう」をやめる
ぼんやりした状態で言葉を出していると、不思議なことが起こります。バラバラだったキーワードに、「あ、会議で疲れてたけど夕焼け見て癒されたな」と、つながりが見えてくる。審査員がいないからこそ、自由な発想が顔を出すんです。
これが面白い。集中しているときには絶対に出てこなかった言葉が、ぼんやりの中からポンと飛び出してくる。「あ、自分はこれが書きたかったんだ」と気づく瞬間がある。
集中という強い光で一点だけを凝視するのではなく、ぼんやりとした明かりの中で全体を俯瞰する。書き始めるとき、まず最初にやることは「上手く書こう」をやめること。その遊び心が、結果として芯を食った文章を連れてきてくれます。

